「即戦力」に頼る会社は必ずダメになる
人事コンサルタントをされている方が執筆している本です。
タイトルと内容には微妙なズレがあり、実際には本書の大部分を使って"成果主義"を批判しています。
露骨に言えばキャッチーなタイトルを付けて多くの人に本書を手にとってもらいたいという意図が透けて見えてしまいます。
成果主義は概念的なものであり、会社へより多くの直接的な利益をもたらしているように見える社員のみを評価する会社は存続出来ないというのが本書の要点です。
サラリーマン、そしてこれから社会人を目指す人への啓蒙書として書かれています。
安易に目の前の給料の額面や、職場の雰囲気に流されて転職をするのではなく、「自己育成の場」として捉えることの重要性を説いています。
確かに書かれていることに納得はできるのですが、本書に書かれている悪い会社(制度)の例が露骨過ぎるため、個人的には浅いレベルでの同感に留まってしまいます。
とは言え、著者なりの人事評価の原則・原理についてはしっかりと書かれており、手軽に読める新書としては手堅くまとまっている1冊です。