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引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

相続はおそろしい


私自身、過去に相続の経験も近い将来に相続を受ける予定もありませんが、それだけに"遺産相続"というワードは実感が沸かないため何となく距離を置いていました。

しかし新書という形で手軽に相続を学ぶ機会だと捉えて本書を手にとってみました。

本書ではケースごとに公認会計士の平林亮子氏が実際に起きた相続トラブルを紹介し、次にそれを未然に防ぐためのアドバイスを行う構成になっています。

遺産相続に関する法律の解説はケースの中で個別に行う程度に抑え、読みやすさと実用性を重視しています。

簡単ですが、本書で紹介されているケースの一部を抜粋してみます。

  • 介護を負担した相続人とそれ以外の相続人の間のトラブル
  • 付き合いのない親戚の遺産を知らない間に相続するトラブル
  • 配偶者と義理の両親との間での相続トラブル
  • 隠し子がいたときの相続トラブル
  • 遺言偽造を疑われたトラブル
  • 不動産の相続トラブル
  • マイナスの遺産(負債)を引き継ぐトラブル
  • 相続と税金に関するトラブル

自分自身が亡くなる時のことを考えると、残された家族が相続で争うことなど想像したくもありませんが、本書の事例に登場する遺族たちも自らが望んでトラブルに直面した訳ではないのです。

相続トラブルを防ぐための具体的なアドバイスは本書に詳しいですが、相続も災害と一緒で、元気で平和な時に備えておくことが大切だということを実感させてくれる1冊です。