本と戯れる日々


レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

一気にわかる!池上彰の世界情勢2025

テレビを中心にメディアに引っ張りだこの池上彰氏による1冊です。 駅で10分ほど空き時間があった際に立ち寄った書店で、ゆっくりと本を物色する時間がなかった中でとりあえず手にとって購入した1冊です。 池上氏はNHKでキャスターを経験していたこともあり、その分かりやすい解説には定評があり、この「一気にわかる!池上彰の世界情勢」はシリーズとして毎年刊行されているようです。 最新の2025年度版の目次は以下の通りです。 第1章 アメリカ大統領選挙でトランプ勝利、世界はどうなる? 第2章 政治経済の混迷と激甚災害の増加に直面する日本 第3章...

剣のいのち

津本陽氏の幕末を舞台とした歴史小説です。 主人公は紀州藩を脱藩した東使左馬之助。 若干18歳にして心形刀流師範・伊庭軍兵衛より中伝目録免許を受け、二尺八寸五分の大刀・文殊重國を佩刀しているという設定です。 "設定"といったのは彼は作者が創造した架空の人物であり、本作品は左馬助が風雲の幕末時代で活躍する歴史フィクション小説になっています。 左馬之助には京都で偶然出会い、夫婦同然の仲となる芸妓の佳つ次(かつじ)が登場しますが、この2人の登場人物以外はすべて実在の人物が登場します。 脱藩した左馬之助は薩摩藩に身を置き、そこで同じく剣客である中村...

雑賀六字の城

今まで本ブログで津本陽氏の作品を30冊以上紹介していますが、同氏の作品を読むのは久しぶりです。 本書は著者の代表的な歴史小説でタイトルから推測できる通り、戦国時代の雑賀衆を描いた作品です。 タイトルの"六字"は、浄土真宗の六字名号「南無阿弥陀仏」のことであり、雑賀衆の多くは熱心な本願寺門徒であると同時に、戦国時代を代表する鉄砲隊を中心とした傭兵軍団です。 似たような存在にすぐ隣の根来衆が知られていますが、雑賀衆と決定的に異なるのは、兵士たちの多くが本願寺門徒ではないこと、その結果として信長・秀吉といった権力者へ味方した点です。 また雑賀衆...

老人初心者の覚悟

阿川佐和子氏が雑誌「婦人公論」で2016~2019年の間に執筆した連載エッセイを文庫化したものです。 タイトルに"老人初心者"とありますが、著者は1953年(昭和28年)生まれのため本エッセイが執筆された時期では63~66歳ということになります。 たしかに最近は年配でも活動的な人が多く、このくらいの年齢であれば老人の入口、つまり老人初心者という点は納得できます。 著者は私よりかなり年上ですが、それでも昭和の作家が好きな私にとっては、同業者からも短気で"瞬間湯沸かし器"として有名だった阿川弘之氏の長女という印象が強いのです。 著者は当時も今...

誰か故郷を想はざる

寺山修司という名前だけはかなり以前から知っていました。 代表的な肩書は歌人、劇作家とありますが、私自身は彼の歌集や劇を見たことはありません。 そもそも彼は47歳という若さで1983年に没しているため、その姿をTVなどでタイムリーに見た記憶もありません。 ただし寺山修司の軌跡を追ってみると、先ほど上げた肩書のほかにも、TVやラジオの作家として、随筆や評論作家として、さらには作詞家や映画監督など多岐にわたっており、きっと私も無意識に彼の作品には触れいているはずです。 今でこそ多方面のメディアで活躍している人は珍しくありませんが、寺山氏はその先駆...