自分のことは話すな
著者の吉原珠央氏は、イメージコンサルタントというプレゼンテーションやコミュニケーションを対象としたコンサルティング活動をされています。
タイトルにある「自分のこと」とは、例えば今日の天気に代表される雑談、オチのない会話全般を指しています。
私自身、営業職の方が初対面の人との距離を縮めるために次のような発言をしているのを聞いたことがあります。
- 軽い雑談から入って緊張を解きほぐす
- なるべく沈黙の時間を作らないように会話を続ける
- 自分のことを相手に覚えてもらうために自己紹介を行う
- 政治や宗教の話題は避ける
- 「自分を分かってほしい」と思うほど傲慢なことはない
- 雑談が多い人ほど自分に甘い
- 雑談好きの人は大事な場面で選ばれない
- 「信仰・政治・病気の話題」を避けるな
しかし著者によればこれらの行為はすべてNGであり、次のように厳しく指摘されています。
まず本書の前提として、家族や気の合う友人との会話ではなく、具体的に達成したい目的があり相手と会話する場面を想定しています。
こうした前提の場合、すぐに本題を切り出すのが望ましいと書かれています。
たしかに私自身の経験からも、仕事中はタスクに追われていることも多く、よって時間に余裕がないという状況は日常茶飯事です。
こういうタイミングで開催された打ち合わせにおいて雑談が長いとうんざりしますし、仮に時間的に余裕があったとしても雑談は最小限にしてくれた方が有り難いと感じてしまいます。
また本書の後半では具体的な会話内容を引用しつつ、効果的なフレーズ、ポイントなどが実践的な内容で紹介されています。
ただし中には男性でこのフレーズは使いづらいという内容も含まれているため、自分なりにすこし工夫する必要がありそうです。
全体的には随所に新しい発見やなるほどと思わせる内容があり、どれも意識を変えるだけですぐに実践できるという点もポイントです。
プレゼンやコミュニケーション能力、もっと言えば営業力を高めたいと思っている人であれば是非一読してみることをおすすめできる1冊です。