レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

プロ野球の職人たち



スポーツジャーナリストの二宮清純氏が"これぞ職人"と認めるプロ野球選手をオールタイムで選び、オーダーを組む形でその"ワザ"に迫った1冊です。

オーダーがそのまま目次になっており、球団フロントやアンパイアまで対象に入れているところに著者のこだわりを感じることが出来ます。

  • 1番センター・福本豊(元阪急ブレーブス)
  • 2番セカンド・松井稼頭央(東北楽天ゴールデンイーグルス)
  • 3番レフト・若松勉(元ヤクルトスワローズ監督)
  • 4番サード・中村剛也(埼玉西武ライオンズ)
  • 5番ファースト・高井保弘(元阪急ブレーブス)
  • 6番ライト・稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)
  • 7番キャッチャー・古田敦也(元東京ヤクルトスワローズ)
  • 8番ショート・川相昌弘(元読売巨人2軍監督)
  • 9番ピッチャー・成瀬善久(元千葉ロッテマリーンズ)
  • クローザー・高津臣吾(新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ)
  • 投手コーチ・佐藤義則(東北楽天ゴールデンイーグルス)
  • 片岡宏雄(元ヤクルトスワローズ・スカウト部長)
  • フロント・小林至(福岡ソフトバンクホークス元球団取締役)
  • アンパイア・名幸一明(プロ野球審判団)

オーダーを見れば分かると思いますが、決して"最強"を目指したオーダー編成ではなく、多分に著者の"趣向"が入った興味深いメンバーであることが分かります。

プロ野球選手」の定義は"野球で飯を食っている"、"野球で家族を養っている"というシンプルなものであり、自営業者でも会社員であっても、何らかの分野で生計を立てていれば
、その分野の"プロ"と定義することが出来ます。

しかしプロ野球は狭き門であり、プロに入ったとしても長年に渡り活躍することは困難な職業です。

元阪急の助っ人外国人スペンサーは次のように語ったといいます。

「グランドに出れば、存在するのは敵と味方だけだ。そして味方の勝利のためには、どんな犠牲も辞さないのが真のプロフェッショナルである」

より遠くに打球を飛ばすため」、「より早く投げるため」、「より確実に次の塁を目指すため」彼らは指先の隅々にまで神経を集中し、穴が空くほど戦況を観察し、持続して切磋琢磨する姿はまさに"職人"そのものであり、果たして私のようなサラリーマンはそこまで繊細で精巧な注意力を払って仕事をしているのだろうかと思うと呆然とせずにはいられません。

もちろん選手に限らず、将来性のある選手を見抜く観察力、試合を左右するジャッジをするアンパイアの判断力もアスリートとは違う性質の職人技が求めらます。

私のようにプロ野球とNHKのTV番組「プロフェッショナル」が好きな人であれば、次々と紹介されるプロ野球業界のプロフェッショナルたちに釘付けになり、あっという間に読了してしまうこと間違いありません。