レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

勝者の思考法



スポーツは完全とは言えないまでも、会社員などの職種と比べても公正・公平なルール下で勝者と敗者が決定する世界であると言えます。

人柄や処世術といった目に見えない要素、物事に取り組む手法が評価される余地は少なく、何よりも"勝利"という結果が重んじられるのです。

そんなプロフェッショナルたちが真剣勝負を繰り広げる世界において、勝利し続けることがいかに困難であるかは容易に想像が付きます。

本書ではスポーツの中でも主に日本のプロ野球やMLBの世界を中心に"勝者"をテーマにしたコラムが掲載されています。

  • 第1章 弱者が強者に勝つ方法
  • 第2章 名監督・名コーチの思考法
  • 第3章 敗者の思考法
  • 第4章 組織に見る勝敗の明暗
  • 第5章 勝者の思考法

目次を見ても分かる通り、一口にスポーツといっても選手以外に、監督やコーチ、球団、さらに国際大会であれば協会といったレベルで勝者を論じることが出来ます。

また大部分の読者は一流プロスポーツ選手と同じようなパフォーマンスを出すことは出来ませんが、少なくとも彼らの思考法は真似ることができます。

とくに常勝軍団の監督やコーチの考え方や手法は、会社員にとっても参考になる部分があるはずです。

さらに常勝軍団がいれば弱小軍団、つまり敗者も存在するはずであり、彼らの思考からも私たちは学ぶことがあるはずです。

前置きが長くなりましたが、本書はある意味ではビジネス書としても、スポーツコラムとしても読むことが出来ます。

著者の二宮清純氏はスポーツジャーナリストとして長年活躍してきた人であり、企業経営はともかくスポーツの世界の厳しさをよく知っている人です。

とはいえ本書の内容は決して堅苦しいものではないため、個人的には姿勢を正して熟読するよりも、スポーツコラムとして楽しみながらも何かビジネスのヒントを見つけられればラッキーくらいの気楽さで読んで見ることをおすすめします。