レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

面白くて眠れなくなる植物学


普段食べている野菜、近所の桜並木、公園の樹木、さらには庭に植えられている花など、植物は私たちの身近に溢れています。

それだけに学校で習った植物の基本的な仕組み、幾つかの花木の名称が分かる程度で、あまりにも当たり前の存在である過ぎるせいか、なかなか植物について深く知る機会がありません。

本書は植物学者である著者が、誰もが興味を持てるような視点で植物の不思議を解説しています。

たとえば以下のような不思議が具体的に解説されていますが、自然好きで植物に詳しい人でもなかなか答えられないような内容ではないでしょうか。

  • 木の仕組み上、どこまで大きくなることが可能なのか?
  • ちょうちょはなぜ、菜の花に止まるのか?
  • トリケラトプスは進化した植物によって中毒死した?
  • タンポポの踏まれても立ち上げるはウソ?
  • 紅葉はなぜ赤くなる?
  • コーヒーやお茶は植物の毒によって生まれた?
  • マツなどの針葉樹は時代遅れのシステムのおかげで生き延びた?
  • 雑草を育てるのは難しい
  • 竹は木か草か?
  • 木が先か?草が先か?
  • 植物が動かない理由
  • 植物の血液型は?
  • ねこじゃらしが夏の炎天下でも萎れない理由
  • つる植物の成長の早さの秘密
  • 食物繊維はなぜ体にいいのか?

    • 上記のほかにも植物の遺伝について、野生の植物が人間の栽培植物となった経緯などが分かりやすく解説されています。

      学者が普段研究している内容へ対して、なかなか一般の人が興味を持つことは難しいですが、視点や切り口を変えることで興味が湧いてくるような工夫がされている内容だと感じました。

      本書の内容が実生活やビジネスの中で役に立つことはありませんが、単純に知的好奇心を満たすという行為は読書の大きな醍醐味であり、そうして点では優れた1冊だと言えます。

      普段、勉強やスキルアップのために読書をする機会の多い人は、息抜きに本書を手にとってみてはいかがでしょうか。