レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

マンガでわかる バフェットの投資術


2024年から新NISA制度が始まったこともあり、日本人の投資への関心が高まっている雰囲気があります。

世界一有名な投資家といえばウォーレン・バフェットであることは私でも知っていますが、彼の経歴や具体的な活躍については殆ど知らなかったため本書を手にとってみました。

このブログを執筆している時点で彼の資産は1380億ドル(日本円にして20兆円以上)あると言われていますが、この額は日本の国家予算の1/5ほどの金額になります。

こう書いても実感することが難しい金額ですが、その財産は徒手空拳から投資によって築き上げたものであることは確かです。

タイトルに"マンガでわかる"と書かれていますが、実際に掲載されているマンガの分量は全体の半分程度で、のこりは文章や図によって構成されています。

彼は現在94歳という高齢ですが、驚くことにわずか11歳(1941年)から株式投資を始めています。

今のように投資に関する情報が溢れている時代ではなく、彼は恩師(大学時代の先生)からの直接の教えや実際の経験を通じて自分なりの投資スタイルを確立してゆきます。

具体的にはバリュー投資、つまり会社の資産や将来性などを踏まえて数値からその会社の株が割安と判断したときに投資を行う方法です。

そして、さらにフィッシャー理論を取り入れてゆきます。
これは投資判断に周辺情報を活用したもので、その会社の評判や商品の利用状況、さらには経営者の能力を評価の対象に加えたものです。

前者は財務情報から導き出すことができますが、後者は定量的なものではなく、聞き込みや実際に経営者と話す必要が出てきます。

具体的にどのような評価項目があるかについては本書で詳しく触れらており、図解もされているため実践的な知識を得ることができます。

私自身も新NISAは始めており、投資への興味はある程度ありますが、いわゆる専業投資家になるつもりは全くありません。

また注意しなければならないのが、バフェットの投資方法はあくまでも個別株を購入して長期保有を続ける方法であり、投資信託(ファンド)ETFといったNISAの中では一般的な方法ではなく、さらには1日の中で株売買を繰り返すデイトレーダーの手法とも異なります。

結果として私にとっては実用書というより、半分はバフェットの伝記として、残り半分は投資家が良い企業を見抜くための視点を知るといった意味で役に立った部分があります。

私のように投資に関してはほぼ初心者であっても本書を理解することは充分可能であり、これから投資を始めてみたい人にとっても参考になるのではないでしょうか。

また気が向いたら投資に関する本を手にとってみたいと思います。