炎立つ 弐 燃える北天
藤原登任、平繁成の野望を退けた安倍氏に平和が訪れるのも束の間。
戦乱の雲を携えて、新たな陸奥守が赴任してくることになります。
武士の代名詞ともいえる源氏の棟梁"源頼義"。
そして頼義の息子であり、後に武士の鑑として後世に崇められることになる八幡太郎こと"源義家"。
これが100年以上に及ぶ陸奥と源氏の運命的な出会いでもありました。
安倍氏は源氏のとの戦いを避けるべく、そして源氏は安倍氏と戦いの口実を作るために様々な陰謀が交差します。
その中で運命に翻弄される男がいます。
頼義の部下であり、そして安倍氏の血縁でもある"藤原経清(ふじわらのつねきよ)"です。
彼こそ奥州藤原氏の始祖となる人物であり、本作品では義家が尊敬する武士として描かれます。
苦悩の果てに経清は頼義の元を去り、安倍氏の陣営に身を投じることになります。
安部貞任と藤原経清のコンビが最強の武士軍団にどんな戦いを挑むのか?
前九年の役もいよいよ佳境に入ってゆきます。