レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

脳がよみがえる断食力

脳がよみがえる断食力 (青春新書INTELLIGENCE)

以前紹介した「半断食」健康法 に続いて断食をテーマにした本です。

前回が朝食を抜くことに主眼を置いて継続的に実践する"半断食"であるのに対して、本書は短期で集中的に行う"完全断食"に主眼を置いた本です。

まずはアスリートを中心とした断食による五感の冴え、体の切れ、精神的な安定といった様々な効果を紹介しています。

五感を研ぎ澄まし、万全の体調を整えておく必要があるアスリートにとって有益な方法は、一般人にとっても参考になる部分が多いと思います。

更に著者は「脂質(油)」に着目し、何よりも重要視する栄養素であると主張しています。

自然界に存在しないマーガリンに代表される「トランス脂肪」は決して摂取してはいけないと主張しています。

さらに肉類やバターに含まれる飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の中でもオメガ6グループに属するノール酸が多く含まれる植物油(ベニバナ油、コーン油)も脳梗塞や心筋梗塞の原因となるため控えた方が良いようです。


一方で細胞膜をやわらかくし、血液をサラサラにするオメガ3(フラックスオイル、青魚)の不飽和脂肪酸を積極的に摂ることを推奨しています。

少し断食から脱線している気もしますが、"脂肪"は一括りに悪いものであると考えがちの現代人にとって、積極的に摂取する必要のある油が存在するのは勉強になる部分ではないでしょうか。

そして肝心の断食方法についてですが、よほどの覚悟が無いと一般人には厳しい内容かも知れません。

まず断食によって体が生まれ変わるのは1週間が必要だとし、断食中にも必要最小限の栄養素を摂取することが推奨されていますが、本書では"特製ドリンク"という言葉に集約しており、そのレシピの内容が不明なのです(内容から有機栽培、無農薬の野菜ジュースであることは推測できるのですが。。)。

よって本書を読んだだけでは著者の紹介する「断食法」を実践するのは難しく、はっきりいって残念な点です。


最近ではMLBへ移籍したダルビッシュ投手が断食を取り入れており、アスリートの中にも少しずつ浸透しつつある"断食"への知識を得るレベルであれば読んでみて損はないと思われます。