レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

プロ野球2.0

プロ野球2.0 (扶桑社新書 24)

題名だけを見てプロ野球の新しい勝負論が語られた本だと早合点して購入したのですが、よく見ると副題に"立命館大学経営学部スポーツビジネス講義録"とあり、日本プロ野球を1つの物差しとしてプロ・スポーツ全般をビジネスとして考えてゆくことをテーマにした本です。

個人的に野球は好きなスポーツですが、何らかのプロスポーツに興味がある人であれば、充分楽しめる内容になっています。

具体的には、スポーツ界において長年マネジメントやサポートに関わってきた著名人を大学に招いて行った講義の内容が収録されています。

  • ラリー・ルキーノ氏(ボストンレッドソックスCEO)
  • 団野村氏(スポーツエージェント)
  • 水戸重之氏(弁護士)
  • 飯島智則氏(日刊スポーツ新聞社)x小野寺俊明氏(ナノ・アソリエーション取締役)
  • 畑野幸博氏(阪神タイガース)x森本譲二(福岡ソフトバンクホークス)
  • 藤井純一氏(北海道日本ハムファイターズ球団社長)x大堀隆氏(元横浜ベイスターズ球団社長)

日本プロ野球の特徴は、企業主導での運営であるという点です。
しかもプロ野球チームを持つからには、当然のように規模と体力のある企業がバックに付いています。

広報活動の一環として強烈なバックアップを行うことで安定した運営を行えるメリットがありますが、他方では排他的で、球団が自力でマネタイズする努力を失わせてしまうというデメリットがあります。

更には球団を所有している企業の発言力が強くなり、選手の発言力が弱くなるという傾向も見られます。

その他にも色々な弊害あるのですが、そもそも100年近く続く日本プロ野球の仕組みそのものを見直す時期が来ているかもしれません。

本書で日本プロ野球界とよく比較されているのはMLBJリーグであり、いずれも球団を中心とした運営をしているプロスポーツとの対比です。

プロスポーツそのもののビジネスの仕組みを知る上でも大変参考になる本です。