レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

新選組の新常識

新選組の新常識 (集英社新書)

小説やドラマ、映画などで常識化しつつある新選組のイメージ。
果たしてそうしたイメージは本当だったのか?

本書では新選組にまつわる常識を1つ1つ検証してゆきます。

新書という分量のためか対象となる項目はそれほど多くはありませんが、丁寧に文献を引用して分析を繰り返している姿勢には好感が持てます。

いきなり1章から新選組の羽織や隊旗のデザインや色などをかなり細部に渡って検証しており、少々戸惑いますが、新選組隊員のシンボルともいえるダンダラ模様と背中に""と染め抜かれた独特の羽織は、賞味3ヶ月しか使用されておらず、隊員たちから愛着されたどころか、殆ど着る機会さえ無かったとのことです。

本書は新選組の基礎知識があることを前提としているため、これから新選組を知りたいという人にはお薦め出来ない敷居の高さがあります。

逆に新選組に精通しているファンであれば、その知識を肉付けしてくれる格好の1冊です。

著者のように細部にわたって新選組を研究しようとする人たちが多いのも魅力がそれだけ大きいからに他なりません。