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「健康食」はウソだらけ

「健康食」はウソだらけ (祥伝社新書 109)

健康ブームと言われて久しいですが、一方でTV番組の捏造問題過激なダイエットが問題になっています。

著者はそうした健康ブームに警鐘を鳴らしており、健康食、健康成分、ダイエット食、自然食など、あらゆる「食」へ対してのウソを指摘しています。

特に健康成分では、カテキンカルシウムビタミンCコラーゲンヒアルロン酸、コエンザイムQ10、アミノ酸ギャバなど話題になったものがオンパレードです。

これらは健康に役に立たないばかりか、時として有害であるとしていますが、著者の述べることが本当であるならば、我々消費者にとって安全な食品は殆ど存在しないということになってします。

問題の指摘はよいとして、本書では具体的な解決方法(もしくは代替方法)に乏しいという面が否めません。

本書を読み進めてゆくと、著者の真の意図は「健康」というキーワードを利用して、あらゆる方法で利益をあげようとする商業主義への批判であるという点が分かってきます。

例えば下記のような一文です。

厚生労働省は名指しで大手健康食品メーカーに偽装効能表示に対して改善指導をしたにもかかわらず、新聞やテレビなどのマスコミではほとんど報道していません。
新聞社もテレビ局も改善指導を受けた会社から多額の広告費をもらっているから報道できないのでしょう。
社会保険庁やミートホープなどの不祥事に対しては批判できても、自分の会社に利益をもたらしてくれる会社の不祥事は隠そうとしているのです。

確かにこうしたマスコミの姿勢は問題視し始められており、消費者も情報を鵜呑みにせずに、自分の身を守るための知識を必要とされている時代になってきています。

例えば特定保健用食品(通称:トクホ)消費者庁が認可しているだで無条件に健康増進に役立つと信じてしまうような傾向があります。

本書は徹頭徹尾、健康ブームへ対する批判で一貫されていますが、消費者の不安を煽るだけ煽っているような印象も受けます。

そうしたことも踏まえて冷静に読むことが出来れば、本書から得るものもあるのではないでしょうか。