レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

日本人は日本を出ると最強になる

日本人は日本を出ると最強になる 海外で働こう、学ぼう、暮らしてみよう!

かつて下着メーカのトリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長として活躍し、今や多くのビジネス書を執筆している吉越浩一郎氏による1冊です。

海外で働く」ことに興味を持っている人たちを対象に書かれたビジネス書であり、海外での勤務経験、そして妻がフランス人ということもあり、1年の半分をフランスで暮らしている著者ならではの視点で書かれています。

日本では非正規雇用社員の増加、そして政治や政策に閉塞感が漂っています。
そこで一刻も早く海外へ飛び出し、日本の常識が通用しない世界で視野を広げることを強く推奨しています。

そんな本書の目次を紹介しておきます。

  • 海外でも仕事ができる10の条件
  • 外国人にも負けない10の特徴
  • 海外で暮らすと得られる10のメリット
  • 日本にいてはもう成功できない10の理由
  • 日本をもっとよくする10の提言

はっきり言って日本の閉塞感や旧弊を強調し、外国のフェアな環境や快適さを意識的に取り上げる論調になっています。

つまり日本での活躍を前提としてビジネスに励んでいる人にとって、殆ど参考にならないかも知れません。

世界での活躍を夢見る若者の背中を後押しする本である以上、こうした割り切った書き方は"あり"だと思います。

また吉越氏のビジネス本は"分かりやすさ"に定評があり、本書の善悪二元論的な執筆は意識して行われたものでしょう。

とはいえ自動車メーカ、インターネット業界をはじめ、日本にあっても世界に目を向ける必要のある業界は数多くあります。

本書を通じて、世界における日本の客観的な特徴を知ることは決して無意味ではありません。