レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

東京スカイツリー物語

東京スカイツリー物語

2012年5月に世界一の自立式電波塔として開業した東京スカイツリー

本書はそんな東京スカイツリーのプロジェクトに関わった人びとにスポットを当てたドキュメンタリー作品です。

登場するのは、技術者設計者デザイナー広告マン、そして経営者たち11人です。

1つ1つの物語がプロジェクトX風にまとめられており、NHKの同番組を好きな人であれば本書を夢中になって読んでしまうこと間違いなしです。

1人につき1章を割く形で構成されており、生い立ちから経歴、そして日々の仕事、胸に秘めた想いなどを紹介してゆきます。

著者の松瀬学氏は、ラグビーをはじめとしたスポーツ分野のルポライターとして有名ですが、本書の執筆にあたり丁寧な取材を行ったことが伝わってきます。

そしてこれだけの人たち東京スカイツリーの建設時期に同時並行で取材していたことに驚きます。

彼らに1つ共通しているのは、世界一のタワーを建設するという誰も経験したことがない仕事へチャレンジしなければいけないことです。

しかし仕事は積み重ねていくことで、経験や知識、そして何よりもプロとしての精神を培っていきます。

彼らはいずれも一流のプロであり、今後100年は東京のシンボルであり続けるであろう歴史的な事業をやり遂げます。

仕事へ情熱を失いかけている人を励まし、あるいは初心を忘れかけている人には、「プロとはなにか?」を改めて考えるきっかけを与えてくれます。

東京スカイツリーは"日本の技術力"の結集だけでなく、"モノ作りの精神"をも結集したプロジェクトなのです。