レビュー本が1000冊を突破しました。
引き続きジャンルを問わず読んだ本をマイペースで紹介してゆきます。

ダーク・ソード〈5〉死者たちの挑戦

ダーク・ソード〈5〉死者たちの挑戦 (富士見文庫―富士見ドラゴン・ノベルズ)

魔法がすべてを支配する世界の中で、唯一人何の魔力も持たずに生まれた主人公"ジョーラム"。

彼はやがて禁断のテクノロジーによって「ダークソード」と呼ばれる、すべての魔力を吸収してしまう最強の武器を手に、仲間たちと共に自らの存在を世間に認めさせるべく旅に出ます。

ここまではあらすじとして前回説明した通りですが、後半に入り今までの世界観をひっくり返すかのような急展開を見せます。

例えばSF小説などでは、今まで物語が展開されてきた世界観を一気に変える手法は一般的ですが、世界観を大事にするファンタジー小説は稀であるといえます。

これは本作品が発表されたアメリカにおいても賛否両論ありましたが、確かに読者が戸惑いかねない、大胆な展開であるといえます。

ある意味では、物語の前半で繰り広げられた正統派ファンタジーを逸脱するような展開ですが、様々なジャンルの本を読んでいる読者であれば、それほど抵抗なく受け入れられるかも知れません。

長編小説ですが、後半になって物語のスピードが一気に加速するという意味ではスリリング感があります。